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自分の過去をありのまま見る

自分のほんとうの姿を見、その姿にしっかり立って生活できることを目指すエクササイズを紹介します。

実際経験を対象とし、それを振り返って観察します。

たいへんきめ細かい振り返りを行い、またとても特徴的な振り返り方をします。
その特徴とは、自分の言動について価値判断を一切しないということです。
「よくやった」「失敗だったくやしい」「なぜあのような間違いをしてしまったんだ」「結果が良かったからOKだ」などという、評価や価値判断を決してはさみません。
ただ、客観的に観察します。

記憶をすべて引き出し、それをきめ細かく見る作業となります。
ですから努め方は、“記憶の呼び覚ましと再現的想像”の方法で努めることとなります。
自分自身の言動について、五感で感じたことも、心に湧いた感情も、脳裏にあった考えや思いも、すべてのことが対象になります。
それらを、あたかもビデオ・テープで再生するようにありのまま見ます。

どういう過去を観察しましょうか?

特別な時間帯を選ぶ必要は毛頭ありません。

もし、ある社会人男性が、夜帰宅した後に夕食を済ませてからこのエクササイズをするとしましょう。
それならば、職場でその日の仕事が終わった時刻から夕食が終わるまでという時間帯を設定することも、やりやすい時間帯設定になります。

それでは、上記の時間帯を対象に据えてこのエクササイズを試みましょう。

割合に長い時間帯です。
そこで、振り返り方を工夫してみます。上記図の2時間から3時間の時間帯を、5つ~6つのブロックに分けてみます。
さらにここでひと工夫です。

振り返りをする時刻に近い方からの区切りを行います。
すると、次のような区分ができるでしょう。

  • 夕食開始から夕食終了まで
  • 自宅玄関に入ったところから夕食開始まで
  • 自宅近所の鉄道駅到着から自宅の玄関到着まで
  • 電車乗車から電車下車まで
  • 職場前の街路に出てから職場最寄り駅で電車に乗るまで
  • 職場でデスクの椅子から立ち上がり帰宅準備に掛かったところから街路に出るまで

以上のように区分できたら、最初に時刻的にはいちばん遅い1のブロックから見るのですが、この1については、時間の流れに即します。
夕食開始から自分がとった言動の一部始終を細かく再現的想像をして、しっかりと見ます。
ここで自分の言動について価値判断や評価を完全に排除して、ありのまま起こったとおりを事細かに再現して見ます。
1が済めば、2について、1と同様に行います。
こうして、ブロックごとに済ませて時刻をさかのぼります。

価値判断や評価なしに、自分のありのままを見てみる。
この作業はやさしくはありません。
けれども、がんばりましょう。
「判断」や「評価」への誘惑が湧くたびに抵抗しましょう。
価値判断や評価なしに、自分をありのまま見ることが一定程度達成されれば、必ずや自分についての新しい発見が得られます。
今まで気付かなかった自分のほんとうの姿に出会えます。
(この振り返り作業はたいへんエネルギーを消耗します。15分間を限度としてください。15分で、対象に選んだ時間帯すべてを済ませる気にならないでください。振り返りできた範囲を済ませれば、それで目標が達成されるのです)

この自分との出会いは貴重です。
自分の暮らし方の基盤をまことに自分の本当の姿に結び付けやすくなります。
ほんとうの自分らしく生きて行くのに、大きな助けとなります。

さらに、次のような尊いことが自分に届きます。
この振り返りを重ねるならば「悪が消えて善が残る」のです。