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書く祈り(2)【聖書を取り上げて(ある信徒の到達)】

ここには、或る信徒が、自分の祈りの道を切り開くために工夫してたどり着いた仕方を紹介します。
ご本人のことばによる紹介です。


私は、『聖書』によって祈ろうと望んでも、なかなかうまく祈れませんでした。
どうしたら聖書の内容に親しみ、『聖書』を祈りに生かせるのだろうと、長いこと探し求めていました。

その思いから、聖書のみ言葉を「筆」で書いて行くことを試みました。
みことばを筆ペンで便せんにゆっくり書いて行きます。

筆で書いてみたら、ゆっくり、そして集中できるので、ことばと行間にその場面が立体的に感じ取られて来ました。
自分が書いた毛筆の字は、上手ではないけれど親しみ、愛しさがありますから静かにじっと留まったり、繰り返し読んだりしたくなります。

やり方を工夫しながら、次のような仕方で続けるようになりました。

用意するもの

  • 『聖書』(私は『毎日のミサ』を選択の参考にします)
  • 筆(私は筆ペンを用います)
  • 用紙(私は便せんを用いています)

手 順

  • 選んだ聖書箇所を便せんに、ゆっくり丁寧に書き始める
  • 一行書き終えると、ゆっくり味わいながら、読み返してみる
  • ここの段階で、理解し切れない感じの部分(人名や地名も含めて)を(別な紙)に書いてみる
    (別な紙)に書いたものは、注釈で探したり、何回も読んでその場面を想像してゆく
  • そしてゆっくり味わいながら読み返す
  • 心に響くみことばがあったならさきほどの(別の紙)に書いてみる
  • 2行目に入る。同じようにして続けていく
  • 最後まで書き終えてまた読み返す
    ゆっくりと
    それを何度もする
    そうするうちに、さらにその場面、情況、みことばの意味が頭と心に入ってくる
    時には色彩さえも浮かんでくる

最終の段階

以上の過程をたどることで、イエス様はじめ登場する人々の様子がだんだんわかってきます。
何回も読んだはずなのに今初めて知ったことが出てきます。
「へーそうなんだ」と新しい発見の喜びを感じます。
そんなとき、イエス様を前よりも近く親しく感じます。
そこから、感動のノートも生まれます。
みことばで心に一番響いたものを書いておきます。

自分が書いた毛筆の字は、親しみ、愛しさがあります。
それを前にして、柔らかくなった心、温かい心でやがて目を閉じてみことばの全体と、先ほど書いた心に響くことばとを思いめぐらしています。