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聖イグナチオによる「愛を得るための観想」

聖イグナチオの豊かな黙想プログラムの結びにおいて、彼はこの観想を行うことを定めています。
他のところでもそうであったように、ここでもバラ神父訳『霊操』から、引用します。
(その230番~237番)


注 意

まず二つのことに注意するのが望ましい。
第1:愛は言葉よりも行いによって示すべきである。
第2:愛は両者の間の交換にある。
すなわち、愛する人が持つものをまたは、持つものと自分に可能なものから愛される人に分け与え、一方、愛される人も愛する人に対して同じくするところに愛がある。
したがって、どちらかが知識を持つならば、持たない人に分け与え、名誉や富に関しても同様にし、相手も他方に対して同じくする。

準備の祈り

自分のあらゆる意向と行動と働きが、ひたすら主なる神への奉仕と賛美だけに向けられるよう、主の助けを願う。

第一の準備

場所を設定すること。
ここでは、わが主なる神と天使たちと、私のためにとりなしている諸聖人の前に自分がいるのを見ることである。

第二の準備

望んでいるものを願うこと。
ここでは、神の恵みを余すところなく認め、すべてにおいて主なる神を愛し、仕えることができるためにいただいたこれほどの恵みの内的知識を願うことである。

要点第一

創造と贖いと個人的な賜物など受けた恵みを思い起こし、わが主なる神が私のためにいかに尽くされたか、自分が持っておられるものからどれほど多く与えられたか、また同じ主が、神の計画に従って可能な限り、どれほど自分を私に与えようと望んでおられるかを深い感動をもって思い巡らす。
次いで自分に目を向け、当然なすべき正しいこととして、私からは主なる神に何を捧げ、何を与えるべきかを考察する。
つまり、私のすべてのもの、それと共に私自身を捧ぐべきと思い、深い感動のまま奉献する者として次のように申し上げる。

大きな試練に目を移してみましょう。

「すべてを取ってください、主よ、受け入れてください。
私のすべての自由、私の記憶も、知性も、意志も、私にあるものと持っているものすべてを。
あなたがこれらを私にくださったのですが、主よ、あなたにお返しします。
すべてはあなたのものです。
どうぞ、あなたの望みのままに計らってください。
あなたの愛と恵みを与えてください。
私にはこの恵みだけで十分です」

要点第二

神が、いかに被造物のうちに住んでおられるかを見る。
つまり、物質の元素には存在を与えながら、植物には生長を動物には感覚を人間には思考力を与えながら住んでおられる。したがって、私を存在させ、生きさせ、感じさせ、考えさせながら、この私のうちにも神が住んでおられる。第一要点に述べた方法、またはより良いと思われる他の方法で同じことにつき自分に目を向ける。あとに続く各要点についても同様にする。

要点第三

あらゆる被造物において神が、いかに私のために活動し、働いておられるかを考察する。
つまり労働する者のように見える。
たとえば、存在させ、保持し、生長させ、感じさせるなどして天と物質の元素や植物、果実、家畜などにおいて働いておられる。
次いで、自分に目を向ける。

要点第四

すべての良い物と賜物が、いかに天上からくだるかを見る。
たとえば、私の限られた能力が天の限りない最高の能力から下り、正義と善良さ、思いやりと憐れみなども同様である。
あたかも太陽から光線が、泉から水が流れ出るごとくである。
次いで、前述のとおり自分に目を向けて終わる。

対 話

慰めかすさみ、または霊的感動をより深く感じた点に注意し、そこにとどまる。
そして、次に述べる方法で三つの対話をする。
【第一対話】
聖母との対話である。
自分の御子であり主である方から次のことのために恵みをとりなしてくださるよう、聖母にお願いする。
つまり、私が「神への愛をより大きくすることができるように」、自分の中で感じているところによって願う。
次いで、天使祝詞。
【第二対話】
御父からその恵みをとりなしてくださるように御子に同じことを願う。
次いで、「アニマ・クリスティ」。
【第三対話】
永遠の主自身がその恵みを与えてくださるよう御父に同じことを願う。
次いで、主の祈り。