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耳の感覚による瞑想(音を聴く)

耳という体の器官が、導いてくれる冥想の深みを目指してみます。

まず、姿勢を整えます。
その後、頭を空にし、何も思わず何も考えません。
そして、耳に届いてくるすべての音を聴きます。
好悪を感じないようにして、すべて受け取ります。
頭に雑念が湧いたら、また、心に感情が湧いたらそれに気付くや否やすぐに感覚の感じ取りだけに戻ります。

身近なところからの音、遠い彼方からの音、その半ばからの音、すべての音を聴きます。

「あれは、何の音」「これは、何の音」というような、知性的理解に向かわないようにします。
ただ、音声を音声としてだけ聴きます。

ただ、音声を音声としてだけ聴けば、不思議に、「うるさい」「不快だ」「落ち着けない」などという感じが減ります。
そして、さらに心を音に開きましょう。
「きらいだ」「逃げたい」などと思わないで、どの音もありのまま受け止めることを続けましょう。

人が生かされている場の感覚が広がります。
ふだん自分が生きている場の感じ取りが、どれほど部分的な偏りの中にあるか感じてきます。

無数の“いのち”が営まれています。
際限無い種類の“いのち”が営まれており、私という人生は、その際限無き“いのち”の只中で息づいています。

そして、それらのすべての“いのち”と微妙な関わりにある私の“いのち”です。
“いのち”の新しい感じ取り。
そこから、神秘的な世界に導かれる可能性も待っています。