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体の各部の感覚を感じ取る(3)

ヴィパッサナ冥想のいっそうの深みをめざしましょう。
初めは、体の各部の感覚を感じ取る(2)で説明したとおり、細部を感じ取ることに努めます。

ひとしきり、そのことに努めた後、次のようなところに進みましょう。
同時に、3つほどの箇所を感じ取ることをしてみましょう。

それができたら、今度は5、6箇所同時に、感じ取ってみましょう。

さらに、次には体全体を一つのかたまりのように感じ取りましょう。

さらには、体の或るエリアで、感覚が流れているように感じられるかどうか、感覚を集中してみましょう。

ヴィパッサナ冥想をゴエンカ氏は、1日10時間ずつ10日間続けるプログラムに招いておられます。
この「行(ぎょう)」にもし挑戦なさるならその終盤において人は、体の神秘に触れます。
体の「溶解」という感覚と変化にまで招かれることでしょう。
(体の「溶解」のおりに、当人は、自分の体が感覚的に「綿」のように柔らかくなり、全細胞が「生まれ立ての生気」に満ちるのを感じます)


ヴィパッサナ冥想は、人を「執着・気がかり・心配・怖れなどから解放しますから、まずここからキリスト者に大きな益をもたらします。

そして、この冥想に深まって行くにあたって、重要なご注意を一つ申し上げます。
ヴィパッサナ冥想では、どのような思念も持ちません。
神様という意識も、また神様からのお恵みという意識も持たないのです。

神様の意識を持たない「行(ぎょう)」の利益をいただいた後は、しっかりと神様(のお恵み)を意識しての祈りを十分に行いましょう。
人格的な存在でいらっしゃる神様に、自分の人格をとことん打ち込んでの祈りをしましょう。
キリスト者は、この方向からの祈りにおいて、どこまでも伸びて行く必要があります。
そしてキリスト者は、ヴィパッサナ冥想の方法と、伝統的なキリスト者の方法とを混ぜてしまわないようにしてください。
決して、混ぜないでください。
それぞれからの恩恵をいただくために、時間をしっかり区別して別の時間枠を充てることとしてください。

ヴィパッサナ冥想は、「自分」という農園において栄養剤のように働いて土地を肥沃にしてくれます。
別の言い方をすれば自分の霊的営みが、頭脳方面に偏重になるよりも心も体も含めた自分全体に広がって営まれるのを助けると言えます。

キリスト者は、このキリスト教伝統外のヴィパッサナの実りが、キリスト教的祈りの際に祈りを蔭から活性化してくれるのを体験できることでしょう。