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体を構えます

祈りが、深まることや熟することは、自分の全体が余すところなく生かされる仕方で達成されます。
人間は、心(精神)と体をもっていますからサダナでは心(精神)を大切にしつつもまず、体を祈りのために生かすすべ(術)を磨きます。

体を生かしながら瞑想しますから体を丁寧に扱います。

瞑想のために、まず体の構えを整えます。

サダナでは、腰と上半身の構えこそが大切です。

無理に美しく均整がとれた外形を作ろうとせず、上半身の力を抜いて体重だけが腰骨の中央にかかる座り方が理想的です。
しん底から落ち着くことができ、冥想内容が充実することをめざすために正しく構えます。

具体的には、まず座布やふさわしい台(注1)を用意して腰(お尻)を適当な高さに保つことができるようにします。

次に、腰の筋肉をキュッとしぼって、腰骨を立てます。

肩の力もその他の余分な力も(注2)まったく抜き、まるで頭の天返から腰まで一本の棒が貫いているような感じにします。つまり、余分な力が全く抜けて、しかもまっすぐになっている状態です。 また、左の肩から右の肩まで一直線になる感じにもします。ここでも力は全く抜けるようにつとめます。

足の構えは、意識しすぎず、気楽にします。
座禅の結伽や半伽がたやすくできる人はそれに越したことはありません。
しかし、その構えでは苦しくなるという人は、ゆったりとあぐら風に自分の前に並べて置くことで構いません。

手の位置についても同様です。ひざ頭の上に、自然に置いておくのが良いでしょう。
(この姿勢での利点に後に気付かれる(注3)ことがあると思います)

サダナでは、冥想によって、単なるリラクゼーションを目ざしたり、健康の回復を目ざしたりするのではなく、冥想内容の質が高まることを目ざして姿勢を作ります。

力を完全に抜いていながら真っ直ぐであり、揺れることがなく均整がとれた坐り方、この域まで辿り着きたいものです。

注1:座布やふさわしい台

市販のものもありますが、自分で工夫してみましょう。
座布団の枚数や、土台となる何かひらたい台になるものを工夫するのもよいでしょう。
短時間だけ使用できるものではなく、長い時間にも、多くの日々にも変わらずやり続けられるようなものを、丁寧に用意しましょう。

注2:肩の力もその他の余分な力も

あたかも自分があやつり人形になったように、人形師がぐっと引き上げて(まっ直ぐになり)、糸がゆるんでストンと下におろされた、とイメージしてみましょう。

注3:利点に後に気付かれる

長い時間冥想していると、両腕の重ささえも気になってくることがあります。
手が、もともとひざに置かれている場合は、重さが気にならずにすみます。
瞑想の途中で動くことは避けたいですから、これは気の利いた準備となります。