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短句を繰り返し唱える(1)【聖書を源泉として】

この祈り方は、このコーナーの前の方で紹介した祈り方とも関連します。
初めは、聖書の中で出会った感銘深い言葉を大切にするところから、踏み入って行きましょう。
まず、聖書の原文通りを、心の内で唱えることを繰り返すこととなります。
たとえば、ルカ福音書の第1章を瞑想的な心で読んで行くとします。
やがて、天使がマリアに受胎を告げる場面になります。
たいへん素晴らしい箇所です。
素晴らしい言葉に溢れています。
そういう中でも、とくに「聖霊があなたに臨み、いと高きおん者の力があなたを覆う」(ルカ1;35)という句に、惹きつけられたとします。

すると、目を閉じて、心を神に向け、

  • 「聖霊があなたに臨み、いと高きおん者の力があなたを覆う」
  • 「聖霊があなたに臨み、いと高きおん者の力があなたを覆う」
  • 「聖霊があなたに臨み、いと高きおん者の力があなたを覆う」
  • 「聖霊があなたに臨み、いと高きおん者の力があなたを覆う」

と何度も何度も繰り返します。

私たちは、神にさらに近づかせていただいて、いっそう力強い祈り方まで踏み込ませていただきましょう。
つまり、短句を、次のように変えさせていただきましょう。
マリアのところを自分自身と置き換えるわけです。

  • 「聖霊が○○○(=自分の名)に臨み、いと高きおん者の力が○○○を覆う」

このように、踏み込ませていただいて、繰り返しましょう。
さらに、別の短句も選ばれるはずです。

  • 「あなたの信仰があなたを救った」(マルコ5;34やルカ7;50など)

も、選ばれ得るでしょう。
ここでも、やがて「あなた」のところに自分の名を入れます。

  • 「○○○(=自分の名)の信仰が○○○を救った」

と唱え続けて、自分への励みとすることができます。
そのほか、

  • 「たたきなさい。そうすれば開かれるであろう」(マタイ7;7)
  • 「イエスを愛する人は、父と子と聖霊がその人の所に来てそこに住む」
    (ヨハネ14;23のアレンジ。これも徐々に「人」とあるところを自分の名に置き換えて、唱えましょう)

などという句も選ばれるに違いありません。

聖書は、人を霊的に活かし燃えさせる、みことばの宝庫です。感銘深い名句の数々に満ちています。

上述のような、お気に入りの短句をその味わいが消えるまで、あるいは、祈りの時間の限度が来るまで続けます。

さらに、暮らしの中で仕事が途切れるときに、心の中で繰り返しましょう。それどころか、ある種の単純な仕事をしている間ならば、心の中で続けられます。
掃除機をかけながらとか、洗濯物を干しながらとか、街を歩きながらとか....。

この方法は、心を強く込めて祈れる祈り方です。
また、一日の間でその合計時間がとても長くなる祈り方です。
さらには、同じ句を数ケ月でさえ継続させられる祈り方です。

なお、故トマス・マートン(トラピスト会司祭)は、この祈り方の力強さを愛しました。
そして、切り詰められた極く短い句で自分の内部に集中して行くこの道を「センタリング・プレヤー」と名付けました。