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聖書深読法(注1)

【用意するもの】

  • 聖書:各自(翻訳が違っても構わない)
  • メモ用紙(各自1枚)
  • 模造紙あるいは大判紙1枚(「色読」用にはもう1枚)
  • 筆記用具、ノート(できればルーズリーフ)、臨書(写経)用ノート
  • マジック3本-4本(色:赤、緑、青、黒、その他)太め、細め(筆ペンもあれば便利)

聖書深読法は大きく分けて聖書の言葉を素直に味わう部分(素読)と、聖書学の解説を聞いてそれをかみ砕く部分(解読)、さらに黙想の内に深め消化吸収する部分(照読)の三つの部分から成っています。

グループを数人から十人位までに分けてします。
各グループごとに司会者を決め、次のような手順で聖書を読み、分かち合いをします。
(この手順は、グループの構成や時間の都合などで可変です。(注2)

  • 司会者は短い祈りを唱えます。(聖歌を歌う事も勧められます)
  • 深読する聖書の箇所を順に朗読します。(祈りを唱えるようにゆっくりはっきりと声を出して読む)
    感激した所、分かりにくい所、不消化な所、抵抗を感じる所など素直に読みます。(素読)
    聴いている人は目を閉じるか、聖書を見ていても声に注意を向けます。 この輪読は順番に均等配分すると良く、読む人が次の人に代わるときは、「アヴェ・マリア」を唱えるくらいの間を空けます。
    各自が読む聖書は、翻訳の異なるもので構いません。
    時間があれば、深読箇所全体または部分を丁寧に書写写経(臨書)します。
    ノートには、聖書の各一節づつを一行置き、句読点も含め一字一句間違いなくこころを込めて書写します。
    所感を自由に書き留めます。
  • 何度か黙読して、特に印象づけられる言葉のある節を(ひとつからみっつまで)選んでメモ用紙に節の番号と、しるしを記入します。
    さらに、全体の印象をなるべく具体的な短い言葉(名詞が良い。例えば、せせらぎ、夕焼け、など)で表し、(これを全と呼ぶ)これもメモ用紙に記入し、提出します。
    このとき可能な限り時間をかけて、ゆっくりとしるしと「全」を考えることが勧められます。
    しるしは何でもいいですが、次のような共通記号を使うと便利でしょう。
    (この3の部分には、20分ほどを充てます)
    • ○:感銘をうけた箇所(ピカッと光る)
    • △:さらに考えてみたい箇所(もう少し食べたい)
    • ?:分からない、不消化
    • 波線:なんとなく心に残る箇所
    その他自分で記号を創作しても良いでしょう。 関連箇所は線で結びます。
  • 皆から提出されたメモを整理し、しるしと「全」を表(素読表)に書き込みます。(素読表は、全員に見える大きさに)
  • 祈りまたは歌の後、素読表を用いて節の数字の若い方から順に、しるしをつけた理由や感じたことを分かち合います(合同素読)。
    その際大切なのは聴くことです。
    聴くことの中に聖霊が働いて下さるからです。
  • 解読者によって当該聖書の解釈(解読)を聞きます。
    (適当な解説書を読んで解読とすることもできます)
  • 時間があるときには、「素読」や「解読」を通して与えられたものを聖霊によって更に深めるため、さらに黙想をすることができます。
    そして深読した聖書の箇所が自分に問い掛け、訴えてくるものを生活の実践に移す決意を簡単な動詞であらわします。(照読)
    それを素読表の「照」の欄に記入します。
    ただし、時間がそれほどとれない場合など照読を「解読」の前にすることも出来ますし省略することも出来ます。
  • さらに時間があれば、自分が感じたことを模造紙に自由に色マジックなどを使って、絵や書で書き表します。(色読)
    各自1枚ずつの紙に書いても良いし、大きな紙に皆で書き込んでも良いでしょう。
  • 照読や色読をした場合は、祈りまたは歌の後、それを分かちあいます。
    そして祈り、あるいは歌、または沈黙の響きのうちに分かち合いを終えます。

注1:聖書深読法

聖書深読法は二十数年前、カルメル修道会司祭奥村一郎神父によって生み出されました。
聖書のいろいろな読み方を総合して、今、自分に語られる主のみ言葉を深く味わい、それを互いに分かち合うことによってより豊かに福音を味わって行きます。

注2:グループの構成や時間の都合

聖書深読法は、実践する際に、次のように構成されています。
【ミニ深読】(合同素読中心の方法)
これは手軽にできるもので、2時間ほどのプログラムです。
グループがあれば誰でもできます。
集まって深読箇所を輪読し、しばらく各人が、み言葉を味わい(個人素読)、そして素読表に書き入れた後、分かち合います。(合同素読)
【聖書深読黙想会】
これは、一日または一泊二日で、深読法の全行程を行うものです。
聖書深読黙想会は、大きく分けて三つの部分(冒頭に示した三つの部分)から成っており、これを順に体験して進みます。
一泊二日の場合は絵を描いたり(色読)して、自分の感じていることを表すこともします。
男子跣足カルメル修道会(東京京都)で聖書深読黙想会を開催しています。