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鼻に届く香りとともにする冥想

匂いや香りを嗅ぐということ、それは、私たちが常に呼吸をし生きているということです。

視覚や聴覚が理性に結びつきやすいのに対して鼻で感じることは、理性の領域を飛び越えてただちに感覚的・本能的に感覚印象となります。

良い空気の吸える場に身を置きましょう。
庭に香りの高い松とか楠とかがあれば、その香りの流れてくるところ。
部屋に水仙の花、百合の花、バラの花などが活けてあれば、その香りの届くところ。
いわゆる「香料」という人工性の濃い素材でも上手に生かせるならば、それを用いましょう。

すでになじみが出来た「体の正しい構え」を用意して冥想に入ります。

目を閉じ、頭をからっぽにして、呼吸に集中します。
鼻の先端と上唇のところに出来る三角形の部分に意識を集中します。
ゆっくりと深く息を吸い込み、また吐き出します。

静かな呼吸に乗ってやってくる香りは、鼻の先から体の芯を吹き抜け、深く魂へと届けられます。
呼吸を魂に届かせ、空気の中のかすかな香りを感じ取り、じっくり味わいましょう。

もし、何も目だって感じられない空気であれば、想像の香りに身を委ねましょう。
子供の頃に草原で嗅いだ草の匂い。
強い陽光で照らしつくされた藁の匂い。
海に出掛けて嗅いだ潮風の匂い。
くちなし・金木犀などの花、りんごやみかんや桃などの果物の香り。
人工のものでも、おいしいケーキやクッキーの香り。
コーヒーや紅茶の香り。

香りというものの、奥深さを感じ取りましょう。
また、香りの世界のバラエティー豊かなことを感じ取りましょう。

人の生存の場は、この領域でもその広さ深さに限り無さがあります。
私たちの生存は、そういう広さ深さに開かれています。

金木犀、藤、などの香りを吸うとき、神様のお心の気高さやきめ細やかさをおのずとたたえずにはいられません。