※:聖イグナチオは、キリストの受難の観想についてご受難場面のどれにも注目しますが、そのうち時間的に早い二場面について具体的な観想の手引きを記します。
それらの手引きは、【第一の準備】から【第三の準備】までが異なる一方、それ以外は、「同様に行うように」との指示になっています。
この二つの観想(第一観想と第二観想)は、もともと別個に行われるものですが、並べて示すことが便宜です。
以下に、第一観想と第二観想をそれぞれまとめて示すこととします。
第一観想と第二観想ともに共通。
ご託身の観想の場合と同様に行う。
第一観想:晩餐を中心とする部分
第二観想:ゲッセマニの園を中心にする部分
以下、第一観想と第二観想、ともに共通。
前にも一部記したように対話においては、その霊操の内容に応じて話をし、恵みを願わなければならない。
たとえば、誘惑か慰めを感じるところに従い、獲得したい善徳、あるいは心を傾けたいあれこれの方向に従って、また、観想の内容につき苦しみか喜びを感じたいところに応じて、対話の次第を決めるべきである。
最後に具体的なことがらについて是非とも望んでいるものを願う。
こうして、わが主キリストへ一つの対話だけをしてもよく、または、内容と信心深さによって動かされるようなら、聖母と御子と御父へ三つの対話を行うこともできる。
※:なお、聖イグナチオは、「ご受難」の観想を積み重ねる過程においても、 ご託身の時以来継続される「内的・霊的五官」を当てはめることを求めます。
その当てはめ方は、聖イグナチオに導かれて聖書の場面を観想する(1B)【ご託身(2)】に詳しく説き明かされた仕方に準じるものです。