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聖イグナチオに導かれて聖書の場面を観想する(1B)【ご託身(2)】

ここにご紹介する祈り方は、前項目(聖イグナチオに導かれて聖書の場面を観想する(1A)【ご託身(1)】)を受け継ぐものです。

聖イグナチオは、同じ日のうちに五回の観想(各回ほぼ1時間)をする構成を組んでいます。
この五回のうちの始まりの観想の仕方は、前に掲げたとおりです。
この日の五番目の観想を次のように行うように聖イグナチオは導きます。
(聖イグナチオの原文を重視して掲載します。)


第五観想

第一と第二の観想に五官を当てることである。
準備の祈りと三つの準備の後、第一と第二の観想に次の方法で想像の五官を順次当てていくのは有益であろう。

  • 要点第一
    想像の目で観想における人物を見ること。
    その状況を細かく黙想し、観想し、見たところから何らかの益を収める。
    (執筆者注=地上のさまざまな人々を天上から見て救済の計画を実行される聖三位一体の尊さを見る、また、天使ガブリエルの困難な指示を精一杯受容されるマリアの尊さを見る、という方向で内的なさらには霊的な視覚を働かせます)

  • 要点第二
    彼らが話していること、または、話すであろうことに耳を傾けること。
    そして自分に目を向け、そこから何らかの益を収める。
    (執筆者注=要点第一で見たような聖三位一体のご計画遂行を決定なさる尊い語り合いを聴く、また、マリアの天使に答える気高く尊いお言葉を聴く、という方向で内的なさらには霊的な聴覚を働かせます)

  • 要点第三
    観想に現われる方々に応じて、その神性、その霊魂と霊魂の徳、また他のあらゆるものの限りない芳しさとその甘味を嗅覚で嗅ぎ、味覚で味わうこと。
    そして、自分に目を向け、そこから何らかの益を収める。
    (執筆者注=聖三位一体のそれほどの犠牲を注ぐ愛のご意志や、マリアの天使に答える気高く尊いご意志について、限りない芳しさと甘味を内的・霊的嗅覚で嗅ぎ、内的・霊的味覚で味わいます)

  • 要点第四
    手で触れること。
    たとえば、その方々が踏まれたり座したりしている場所を抱き、接吻する。
    そして、いつもそこから益を収めようと努める。
    (執筆者注=マリアが座しておられた台の温かさ、尊さを内的なさらには霊的な触覚で感じ取るようにします)

対話

第一と第二の観想のように、対話と主の祈りで終わる。


以上のように、内的なさらには霊的な、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚で、神性の尊さや聖母の尊さを感じ取る方向に向うよう、聖イグナチオは導いています。