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サダナ東洋の瞑想とキリスト者の祈り

想像と祈り

【17】 聖イグナチオに導かれて聖書の場面を観想する-3(ご受難)

 ※聖イグナチオは、キリストの受難の観想について、ご受難場面のどれにも注目しますが、そのうち、時間的に早い二場面について、具体的な観想の手引きを記します。それらの手引きは、【第一の準備】から【第三の準備】までが異なる一方、それ以外は、「同様に行うように」との指示になっています。この二つの観想(第一観想と第二観想)は、もともと別個に行われるものですが、並べて示すことが便宜です。以下に、第一観想と第二観想を並記的にまとめて示すこととします。
 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
【準備の祈り】(第一観想と第二観想、ともに共通)
(ご託身の観想の場合と同様に行う)

《第一観想:晩餐を中心とする部分》 

 

【第一の準備】

内容をまとめること。ここでは、わが主キリストが、晩餐を準備するためにベタニアから二人の弟子をエルサレムへ遣わし、後に主自身も他の弟子と共に晩餐に行かれたということ。また、過ぎ越しの子羊を食し、晩餐を済ませてから、弟子たちの足を洗い、至聖なる体と尊い血を彼らに与え、そして、ユダが自分の主を売ろうとして出かけた後、彼らに説教をされたこと。

 


【第二の準備】
見えるように場所を設定すること。ここでは、ベタニアからエルサレムまでの道、それが広いか狭いか、平らであるかなどを思い浮かべる。同様に晩餐の場所を見て、それが大きいか小さいか、どのようであるかを思い浮かべる。

【第三の準備】
望んでいるものを願うこと。ここでは主が私の罪のために受難に赴かれるので、痛み、深く感じる心を願う。

《第二観想:ゲッセマニの園を中心にする部分》

【第一の準備】

内容をまとめること。ここでは、わが主キリストが晩餐をされたシオンの丘から、十一人の弟子を伴いヨシャバテの谷へ下られたこと、そして、八人を谷のある場所に残して、祈り始め、血のしずくのような汗を流されたこと。また、三度も御父に祈り、その後、三人の弟子を眠りから覚まされたこと。 それから、主の声に敵は倒れ、ユダは主に平和の接吻をし、聖ペトロがマルコスの耳を切り落とし、それを主キリストが元通りにされたこと。悪人のように逮捕された主を連れて彼らは谷を下り、また坂を登り、アンナの家まで行くこと。

【第二の準備】
場所を見ること。ここでは、シオンの丘からヨシャバテまでの道を思い浮かべることである。また、園についても 同様にし、それが広いか長いか、どのようであるかを思い浮かべること。



【第三の準備】
望んでいるものを願うこと。ご受難において当然願わなければならないもので、苦しむキリストと共に苦しみ、砕かれたキリストと共に砕かれ、涙し、私のためにキリストが忍ばれたおびただしい苦難のために、内的な苦痛を願う。

(以下、第一観想と第二観想、ともに共通)
【要点第一】
 晩餐に列席している人物を見ること。そして、自分に目を向け、そこから何らかの益を収めるように努める。
【要点第二】
 彼らが話している言葉を聴くこと。前と同じくそこから益を収める。
【要点第三】
 彼らが何をしているかを見ること。そして何らかの益を収める。
【要点第四】
 観想する場面に応じて、わが主キリストが人間として受けられており、または、受けたいと望まれている苦しみを考察する。そして、ここから激しく痛み悲しみを感じ、涙するよう努め始める。後に続く他の要点を通してもまた同様に努める。
【要点第五】
 神性が隠されていることを考察する。すなわち、敵を滅ぼす力を持ちながらもそうされず、イエスのいと尊き人性がこれほどひどく苦しむままにされていることを考察する。
【要点第六】
 主がこの苦しみを受けておられるのは、ことごとく私の罪のためであることと考え、私は主のために何をなすべきか、いかなる苦しみを忍ぶべきかを考察する。
【対話】
 前にも一部記したように、対話においては、その霊操の内容に応じて話をし、恵みを願わなければならない。たとえば、誘惑か慰めを感じるところに従い、獲得したい善徳、あるいは心を傾けたいあれこれの方向に従って、また、観想の内容につき苦しみか喜びを感じたいところに応じて、対話の次第を決めるべきである。最後に具体的なことがらについて是非とも望んでいるものを願う。こうして、わが主キリストへ一つの対話だけをしてもよく、または、内容と信心深さによって動かされるようなら、聖母と御子と御父へ三つの対話を行うこともできる。

※なお、聖イグナチオは、「ご受難」の観想を積み重ねる過程においても、 ご託身の時以来継続される「内的・霊的五官」を当てはめることを、求めます。その当てはめ方は、この項目の【15】に詳しく説き明かされた仕方 に準じるものです。

 

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