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致命的な喪失

ある日、肩から下すべてが麻痺して動かなくなったと想像する......
その状況をつぶさに思い浮かべる......
そのとき私の思い、感情がどのようになるかを見つめる.....

この全身麻痺によって自分の身の上にどのような変化が起こるかを見る.....
私の仕事、そして職業にどんな変化が起こるのか.....
人とのつきあいにおいて.....
自分自身について抱くイメージ.....
自分への態度.....
祈りの生活、神とのかかわりにどんな変化が起こるかを見る.....
人生についての考え方.....
たとえば、毎日のニュースに自分がどのように反応するかをよく見る.....
時間について.....
成功について.....
また愛についてどのように評価するようになるか.....
人生について.....
進歩について.....
そして死について、どのような考え方、態度をとるようになるかを見る.....。

そのような状態にありながら私は、朝目を覚ましたときから、夜眠りにつくまでの一日を黙想してみる。
まず、目覚めたとき、最初に何を考えるか.....
食事のとき.....
手洗いにゆくとき.....
また働いているときのことをまのあたりにしてみる.....
そして、治療のとき.....
娯楽のとき.....
祈るときの自分を見る.....
夜には感謝のひとときをもつ.....

自分はまだ口がきけるという恵みに感謝する。
それによって自分に必要なものや感情を表現できる.....
また人々を助けることさえできるのだ.....
それによって、私は人々と語り合うこともできる.....

また、耳で聴くことのできる恵みに感謝する。
私は音楽を聴くことができる。
また鳥のさえずり、人々の話し声も耳にすることができるのだ.....

見ることのできる恵みに感謝する。
私には花を見ることができる。
木々を見ることもできる.....
そして夜空にきらめく星、さらに友人の顔を見ることもできる.....

ものを味わうことのできる恵みに感謝でいっぱいになる.....
香りを感じることのできる恵み.....
触れて感じることのできる恵み.....
また、考えることのできる恵みにも感謝する.....
記憶の恵み.....
空想の恵み.....
感じることのできる恵みに感謝する.....

今度は、この身体の麻痺してしまった状態にも 感謝するときがきた。 それによってもたらされたさまざまな恵みを見てみる.....
こうした身体の状態が恵みであると思えるようになるまで、それまでの恵みを振り返ってみる.....
もし、自分がここまでできるようになるならば、まぎれもない神秘の世界を味わったことになるであろう。 すなわち、存在するものすべてを受け入れるという瞬間的な境地を味わったことになるであろう。

さて、今度は、自分の人生で憤りを感じ、 拒絶しているものについて振り返ってみる。 たとえば身体上の弱点や欠陥について.....
病について.....
受け入れがたい状況.....
今、私の置かれている現実についても考える.....
過去に起きた出来事.....
そして、自分の受け入れられない人について振り返る.....

私が身体の「麻痺状態」を背負いながらも、黙想によって感謝の心をもつようになったように、そうした一つひとつの憤り、拒絶に対しても、少しずつ同じ手順でおこなってゆく。 できるかぎり、その状態を取り除こうとする期待や望みを失わないようにして、それに対して感謝の心が生じるまで一歩一歩この作業を続けてゆこう.....
あらゆることに感謝できるようになるまで.....
ひとつももらすことなく、ことごとく感謝できるようになるまで.....