自分のあらゆる意向と行動と働きが、ひたすら主なる神への奉仕と賛美だけに向けられるよう、主の助けを願う。
以上の【準備の祈り】と【3つの準備考察】を済ませてから、黙想(観想)の本体部に入ります。
最後には対話すべきである。
神の三つのペルソナまたは、人となられた永遠のみことば、あるいは、わが母なる聖母マリアに申し上げるべきことを考え、今しがた誕生なさったわが主にいっそう従い倣うため、自分の中で感じているところによって願うのである。
主の祈りを唱える。
(※:聖イグナチオは、この観想を繰り返して行うことを勧めており、その繰り返しの観想においては、神(聖母を含む)との対話を深めることへと導きます)
つまり、次のような対話です。
慰めかすさみ、または霊的感動をより深く感じた点に注意し、そこにとどまる。
そして、次に述べる方法で三つの対話をする。
聖イグナチオは、真剣に生き方を向上させようとする熱心な信仰者のために、おおよそ30日を使う徹底的な黙想のプログラムをまとめました。
そのプログラムの骨子を成文化して『霊操』という本にしました。
この本には、一項目ずつに通し番号が付けられていて、その総数は370であり、ここに抜粋した101番-109番は、したがって本全体の開巻から3分の1ほど進んだところに位置することもわかります。
日本語の翻訳は、幾つか存在します。
ここではイエズス会司祭ホセ・ミゲル・バラ師が1992年に改訂訳(聖イグナチオの自筆テキストから)を出版された新世社版から引用しました。
まず、聖母に向って、第二にキリストに向って、第三におん父に向って、という3段階で対話を上昇させて行く組み立てが最も詳細に示されているのは、『霊操』61番-63番です。
101番-109番における対話の示し方からして、この61番-63番にある具体性にのっとるのが最良と思われます。
そこでここには、63番に表現された具体形を適用して表現しました。